MUSICMAN BONGO6の試奏レビュー

楽器/機材

独特のフォルムであったり、DreamTheaterのベーシスト:Johm Myungが使用していることで有名な「Earnyball Musicman BONGO」シリーズ。

今回は、偶然お店にその6弦ベースモデルが置いてあったので、試奏してきました。そのレビューをまとめます。

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どのモデルを弾いたのか

…と書いてはいるものの、今回はどのモデルを試奏したのかを紹介します。というのも、BONGOにはいくつかのパターンがあります。

まずは弦の数。これは4弦・5弦・6弦の3パターン
次にピックアップ。ネック側から見て「シングル・ハム」と「ハム・ハム」の2パターンあります。

今回試奏したのは、「6弦ベース:シングル・ハム」のパターンなので、DreamTheaterのJohn Myung氏使用モデルと同じになります。

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レビュー

今回のレビューでは感じたことを3つにまとめてみました。思いの外、1つの項目が長くなってしまいましたが途中で切り分けることができなかったため、今回はこの3つで。

第一印象は「明瞭なサウンド」

セッティングをすべてフラットにした状態でまず音を出してみたのですが、音が塊のように前に出る感覚がありました。すべての帯域が濃密になっている音と言ったほうが適切かもしれませんね。突き抜ける感じや立ち上がりが早い感じというモノではなく、バランス良く、それでいてしっかりとしている感じです。

ただ、広い帯域が出ている感覚があるとは言っても、音程感は非常によく出ていました。どうしてもLowが出てしまうと音程感が薄らいでしまうことが多いですが、きちんとどの音に対しても「Cです!」「LowBです!こんにちは!!」と言った明瞭さがありました。

一番驚いたのはHi-C弦どこを弾いてもキレイに、キラキラ感はあるものの嫌らしさがないクリアなサウンドを鳴らしてくれていました。今まで数本6弦ベースを所有していましたが、実はHi-Cの方がヌケが悪いことが多かったので、この辺りは流石だなと感じました。

あと、開放弦と同じ音を押弦した時の音の違いも確かめてみました。どういうことかというと、4弦の5フレットはAですが、これとAの開放弦とを比べて音がどれくらい変わるのかという比較です。

これについては、「押弦した方が太さが出るが、開放弦のほうがクリアに聴こえる」という、一般的なベースと同じ結果でした。ただ、音の違いは他のベースに比べて圧倒的に音質差が小さくなっているので、運指を考える上では大分楽ができるんじゃないでしょうかね。MusicManはナット部分をえぐらせることで(Compansated Nut)このニュアンス差を無くす工夫をしていると聞いていましたが、それが奏功しているように思いました。

もう一つ、よくあるチェック項目!LowB弦が張ってあると音程感はどうなの?と気になる人もいると思いますが、その辺は全く問題ないかと。34インチでもこれ程キレイに音程感が出ているということを考えると、むしろ35インチのメリットについて少し考えたくなるところです。

■関連エントリー:

総じて、しっかりと存在感がありながらも音程感が出ている「明瞭なサウンド」というのがこのベースの第一印象です。

コントロールも汎用性が高いものを採用

BONGOについているツマミですが、「1.マスターボリューム」「2.ピックアップバランサー」「3.LowMid/HiMid」「4.High/Low」という、若干複雑なもの。ただ、音はしっかりと作り込むのに不足ないモノじゃないかなと感じました。

EQの効きについては、効きすぎず、しかしサウンドにはしっかりと影響しているという、私がEQに求めている部分を実現しているなと感じました。Highを上げすぎるとスラップのプル音が聴覚破壊兵器になることがありますが、そんなことはなく、でもしっかりとドンシャリやカマボコ型のサウンドになってくれるのです。これは嬉しい。18Vのプリアンプが安定しているんでしょう。

一番のポイントだと感じたのが、ピックアップバランサーネック側とブリッジ側でのサウンドをどうブレンドするかを決めるツマミですが、ネックにシングル、ブリッジにハムを載せていることで、これだけでもEQに近い働きをしてくれました。音の質感を変化させながら、それぞれ得意とする帯域が前に出てくる感覚は、なかなか楽しいものでしたよ。

この働きを知らないで試奏していたので非常に困惑しましたが、後で調べてみると「ああ、なるほど」と理解できました。逆に言えば、ボリューム以外がアクティブ回路でコントロールしている部分ではないかと感じるほどにサウンドに影響を与えていたということになります。

こうした影響力を考えると、確かに事前の勉強なしではコントロールが難しいものでした。しかし、ボリューム以外はセンタークリックが付いているので、音作りに迷子になったらまた一度立ち返ることができるので、その点は安心して音と向き合うことができましたよ。

■参考:コントロールについて本家より↓

Bongo 6
The Bongo 6 represents everything a modern bass should be: well balanced, comfortable, resonant, and expressive with eff...

好みが分かれるボディシェイプ

さて、サウンド面では問題がなく、6弦であることに慣れてさえしまえばプレイアビリティはさして困らないであろうこのベースですが、一番気になった部分は「ボディの形」です。

あ、ルックスが嫌いなワケではないですよ。好きじゃないけど。なんでデザインをBMWに任せてしまったのだろうかと苦言を呈したくなりますが、まぁ特徴的なベースである部分が逆にカッコいいとも思っています。

私が好みではないというのは、右膝に乗せる部分が自分には合わないのです。

一般的なFenderシェイプの物ですと丸みを帯びている部分ですが、BONGOでは木材が薄くなり、また角度が急になっています。これが足に刺さってしまうのです。

長い年月自転車に打ち込んだせいなのか、はたまた2日に1枚程度の板チョコを身体が欲してしまう性なのか。あるいはベースの持ち方なのか。様々な要素はあると思いますが、決定的に言えるのは「購入を検討している人は、絶対に弾きに行った方が良い」ということです。そりゃあ30万円を超えている楽器ですからいきなり買う人も少ないと思いますが、できるだけ試奏可能な楽器屋を探したり、あるいは全国チェーンのお店であれば試奏用に取り寄せできないか交渉してみることを激しくススメます。いくら音が良くても、演奏する人の身体を傷つけてしまう楽器であれば、その人は他の楽器を探したほうが良いと思います。

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6弦ベースが欲しくなった6弦ベース

弾き終わっての帰路、電車内で私はずっとスマホをいじっていました。「6弦ベースの中古はないか」と探していたのです。

ボディシェイプこそ合わなかったものの、BONGOは本当に良い楽器だと思いましたクリアで、セッティングはフラットでも申し分ない、ハイが変に出過ぎないために多少荒く演奏してもキレイに追従してくれる様々なジャンルで演奏時のストレスを感じにくいのではないかと心底思っています。なので、本当にボディの部分だけが悔やまれるのです。

もともと6弦ベースは過去に失敗しているからもう良いかなと思っていたのですが、自分の腕が上達してくると手が届くものに感じてくるものです。お値段的には少々手が届かないものですので、それであればしばらく楽しめる6弦ベースはないだろうかと探していたのです。

そういうキッカケを与えてくれたBONGO。今回の試奏は大満足でしたし、自作曲のイメージが膨らんだことも考えると、人に対しても影響力のある稀な楽器だなと思いました。

ちなみに、公式サイトで「ハム・ハム」を紹介していましたが、別な楽器と言えるほどサウンドに差がありますね。「ハム・ハム」の方がLow~Midが強い、ゴリッとした感じがします。

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